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06年の小笠原クルーズではオプショナルツアーのなかに、観光だけでないダイビングやカヤック体験などマリン・アクティビティのメニューが用意されている。その水先案内人が宮川さんでもある。
「特にカヤックは、最初は小さな川からスタートしますので、どなたでも参加することができます」
始めるとほとんどの人が、川ではもの足りなくなり海に出たくなるという。
「基本的にはスポーツですが、実は一番の醍醐味は静寂なんです。海に浮かんでいると、オールを漕ぐ音や波しぶき、そして鳥のさえずりや木々のざわめき、そうした自然界のさまざまな音色が聞こえてくる。大自然と同化しながら海や空を新鮮に体感できる、これがお客さんへの最大のプレゼントかな。そんなインテリジェンスや美的なものを加えると、カヤッキングもまた違った趣になりますよ」
宮川さんは海以外の分野でも、自然保護のNGOに力を注いだり、鳥や植物など自然を観察しながら地球環境を学ぶエコツアーもいち早く始められた。
「島には小さな海岸が30数カ所ありますが、実際に巡ると砂の色の違いが分かります。
ここ(扇浦)の砂は黒ずんでますが、よく見ると小さな緑の石がありますね。それは隕石か地球のマグマにしかないもので、小笠原以外ではハワイ諸島でも見られます」
小さな小さな一粒の石から、地球の成り立ちや大宇宙に思いを馳せる、それもエコツアーの楽しみながら学ぶという真髄だ。
さて、宮川さんによれば島の暮らしや島民の意識も大きく変貌したという。
「返還後の10年は誰もが島の生活を満喫していた時代。心を一つにして支え合って生きていました。その後の10年はインフラが整備され、テレビや電話が内地と同等になり、普通に商品が手に入るようになりました。その後、空港の計画や頓挫があったりして、現在は共通の夢や幸せを見出せなくなってしまった時代なのかも知れません」 |