にっぽん丸が沖に停泊するパラオ随一のリゾートホテル、パラオ・パシフィック・リゾートもアラカベサン島の西側の海に面して建てられている。この理由をホテルのディレクターM氏に尋ねたら、「それもありますが、カップルのお客さまにロマンチックな夕陽は絶対不可欠なんですよ」と、またまた教えられた。納得である。
アウトリーフの外側は白波が大きく立っているが、珊瑚礁内の海は比較的穏やかだ。時おり強い雨が断続的にやってきて、視界が極端に悪くなる。それにもかかわらずベテランのボーマンキャプテンは、ときどきサングラスをはずしてはフロントウインドゥ脇から顔を出して前方を凝視しながら、少しもスピードを落とさず飛び跳ねるようにボートを操っていく。
到着した港の小さな桟橋から目的地までは、車でごくわずかな距離だった。
かのイングランドのストーンヘンジやイースター島のモアイ像には及ぶべくもないが、ストーンモノリスやストーンフェイスのバドルルアウ遺跡は謎に満ちている。玄武岩の一枚岩が50基以上も、海を見下ろすなだらかな草原に並んでいる。いったい、いつの時代、誰が何のために作ったものなのかは、ハッキリとは解らない。島の伝説では、数々の石は神や精霊の手によるもの、ストーンフェイスは神が人間を石に変えたものといわれる。
小さな石に腰をおろし、自然界のさまざまな音に耳を凝らしていると、科学的な解明はどうでもいいじゃないかという気にもなってくる。神の手によるもの、それで結構。不思議は不思議のままがパラオに似合っている。
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