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秋の旅路 −竹田−

文人たちが訪れた秋の旅路 −竹田−
名曲「荒城の月」の舞台“竹田”を巡る秋の旅路。
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竹田

荒城の月 作詞:土井晩翠 作曲:瀧廉太郎

春高楼の花の宴
という出だしで始まる瀧廉太郎の名曲「荒城の月」。このあまりにも有名な1題目に比べると、2題目の歌詞をそらんじている人は少ない。その出だしはこう。

秋陣営の霜の色
この歌詞のように「荒城の月の舞台・竹田は春もいいけれど、実は秋も素晴らしいのではないか?」。こうした思いから奥豊後探訪は始まった。

野崎の棟
【宿坊 翡翠之庄(かわせみのしょう)】
大分県竹田市直入町長湯7443-1
TEL:0974-75-2300
野上の棟1日10組しか宿泊できない、長湯ダム湖畔にある落ち着いた宿坊。家族湯の露天風呂から眺めるくじゅう連山と湖がすばらしい。湯に顔を近づけると、ぷつぷつと炭酸の泡が見えて炭酸泉にきたことを実感する。地元の食材を活かした食事も楽しみ。エノハ(ヤマメ)や豊後牛などの創作料理は美味。また、直入オリジナルのアイスワイン(1杯1,000円)はトロリとのどを潤す。数に限りはあるが、ぜひお試しあれ!

フェリーが到着する大分港から国道10号線と442号線を走れば、奥豊後もそう遠くはない。でも竹田に入る前にちょっと寄り道。豊後大野市にある用作公園、岩に彫られた磨崖仏に眼を奪われる普光寺、そして迫力満点!「東洋のナイアガラ」と呼ばれる原尻の滝へ。これらはすべて紅葉の名所。いずれも「奥豊後に来てよかった〜」、としみじみ思わせられるが、旅はまだまだ始まったばかり。

原尻の滝から国道502号線を西に走り、トンネルを抜けると竹田の城下町が現われる。ちなみに竹田の城下町に入るには稲葉川沿いの道を除けばすべてトンネルをくぐらなければならない。ちょっとしたタイムスリップ感が味わえる。城下町はとてもこぢんまりとしている。車を止めて、「歴史の道」をぶらり散歩してみよう。

すべて歩いても15分くらいの短い道沿いは見どころ満載。殿町武家屋敷跡・キリシタン洞窟礼拝堂・旧竹田荘を歩きながら紅葉も楽しめてしまう。そして「荒城の月」はもちろん「は〜るの〜うら〜ら〜の〜すぅみ〜だ〜が〜わ〜」で知られる「花」などのメロディが流れる「廉太郎トンネル」を抜けて、瀧廉太郎記念館へ。ここは廉太郎が12歳から14歳まで住んでいた家である。その背後には大きな紅葉の木が立っており、建物と見事に色づいた葉の調和が美しい。

そしていよいよこの旅のお目当て、「荒城の月」の舞台である岡城阯へ。大手門跡の紅葉で感激し、本丸跡からのくじゅう連山・祖母山そして阿蘇山の眺めに感動。でもここで満足してはダメ。さらに御廟所・下原門まで行ってみよう。苔むした荒城の石垣が、真っ赤な紅葉のなかにうずもれている……。きっと廉太郎もこの光景を見てはため息をついたんだろうなぁ。

九州初の「源流かけ流し宣言」とは

首藤文彦さん長湯温泉は2006年の5月24日、九州では初めて「源泉かけ流し宣言」を行いました。源泉かけ流しとは「温泉(源泉)そのものに手を加えずに、湯船からそのまま外にあふれ流す本当の温泉」であると言う意味で、宣言には、お客様には新鮮なものをお出ししよう、と自らへのいましめをこめました。戦前、長湯温泉を世に広めるときのキャッチコピーは「東方日本の長湯温泉、西方ドイツのカルルスバーグ」(※カルルスバーグは現在チェコ領内)というもので、先人たちはすでに広い視野を持っていたのです。
それを引き継ぐ私たちも温泉療養地としての原点に戻り、飲泉・湯治など温泉を文化としてここ長湯から発信していこうという意気込みもこめていますよ。当館(翡翠之庄)の浴槽が小さいのも本当の温泉を楽しんでいただこうということです。ヒーリングパワー拡大に効果もありますので、ぜひお試しください。

【長湯温泉】
竹田の城下町から車で山を越えること30分。奥豊後巡りの疲れを癒しに長湯温泉郷へ。ここは日本一の炭酸泉で知られている。炭酸泉と聞くと、すぐに「からだじゅうに炭酸ガスの泡がつく」とイメージしがち。でも、長湯温泉に湧出する炭酸泉には泡がつかない炭酸水素塩泉と、泡が肌につきやすい純炭酸泉の2種類があり、実は長湯温泉の大半が炭酸水素塩泉に分類される。なんだ、泡がつかないのか〜。そうがっかりする必要はない。体内のみならず皮膚もきれいにするという炭酸泉としての効能は2種類とも同じなのだから。
むしろ長湯温泉がユニークなのは、戦前から続くドイツの温泉保養地バートクロツィンゲンとの交流だ。ドイツでは「ナトリウム・カルシウム・鉄などの無機質がいっぱいの温泉を飲むことは、野菜を食べることと一緒だ」と言われているが、長湯温泉にも飲泉の習慣があり、人々は飲泉「マイカップ」を持ち歩いているとか。人口3,000の町民の約3分の1がドイツに行ったことがあり、長湯温泉のある竹田市直入町がバートクロツィンゲンに持つ畑でできたワインを年間1万5000〜2万本飲んでいる……。「九州のへそ」に位置し、アクセスは決して良いとは言えないが、かつては与謝野鉄幹・晶子、田山花袋、種田山頭火といった文人が足を運び、彼らの歌碑がところどころに残る。そして現在も各界著名人がやってくる名湯。ドイツのテイストを多分に含みながら、温泉が文化として町や人に根づいている粋な秘湯。それが長湯温泉だ。

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